弁護士奧野舞のブログ

弁護士法人シティ総合法律事務所(http://www.city-lawoffice.com/)

【女性活躍推進】【労務】Q&A①

「女性活躍推進」という言葉が世間に定着してきた昨今ですが,皆様の事業所において,女性従業員の雇用・定着の環境は十分に整っていますでしょうか。

 

元々が女性が多い職場であったり,大企業であれば相当な数の女性従業員がいることから,ある程度の仕組みが既に出来ていることも多いでしょう。

 

当法人のような弁護士事務所を含め,小規模の事業所においては,女性従業員の定着

と活躍について,まだまだ十分なフォローが出来ていないところもあるかと思います。

 

「人材不足」という言葉をよく耳にしますが,活用できる人材を発掘できていないだけ,の可能性もあります。

子育て中や子育てがひと段落した女性の中には,活躍できる素養を持っていても機会が与えられていない方も多くいます。

 

特に,事業主の方において,女性従業員の雇入れについて悩みを解消してもらい,今後の雇用+定着+活躍に利用していただくため,経験談も踏まえながら「労務」という観点から,少しずつQ&Aにしていこうと思います。

 

【雇入れ段階】

Q1)女性従業員を雇入れたいと考えているが,できれば長く働いてもらいたいので,若い方がいいと考えている。女性は,結婚や出産で仕事を辞める可能性もあると思うので,面接時の質問でどこまで突っ込んで聞いたらよいのか,わかりません。

 

A)ダイレクトに「結婚していますか?」「お子さんはいますか?」「今,交際相手はいますか?」「お子さんを作る予定はありますか?」等と聞くことは,場合によっては男女雇用機会均等法の指針に反するおそれがあるので,慎重に判断してください。

男女雇用機会均等法には,差別禁止規定があり,具体的にどういうことを禁止するのかについて,「平成18年10月11日厚生労働省告示第614号」という告示が出ています。

厚労省のHPで確認できます。)

 

この指針の中で,

「募集又は採用に当たって、女性についてのみ、未婚者であること、子を有していないこと、自宅から通勤すること等を条件とし、又はこれらの条件を満たす者を優先すること」を禁止すると書かれています。

 

婚姻の有無や子の有無などを,雇入れ時の面接できく事自体を禁止しているわけではないのですが,この指針は,「使用者が面接で上記のような質問をしている→婚姻の有無や子の有無でもって,採用について振り分けようとしている→未婚で子がない人を優先して採用しようとしている疑いが強い」といった考えのもとに,就職段階での差別を禁止しようといしているわけです。

 

そうはいっても,使用者としては,自社の仕事をしっかりと行ってもらうかどうかの見極めが必要なので,家庭環境などの情報がないとどうしようもない,という面もあるかと思います。

 

その場合は,上記のようなダイレクトに婚姻の有無や子の有無を尋ねるのではなく,使用者側が提示する労働条件と労働環境について具体的に説明し(何時から何時まで働いてもらいたい,たまには出張がある,有給は取りやすいが急な休みには対応しづらい状況である,など。),使用者側が求める働き方について,マッチングするかどうかを丁寧に確認していく,ということで,面接の目的は達成できるかと思います。

 

もちろん,以下のように,従業員自身から状況説明がある場合もあるでしょうから,その場合は均等法違反ということにはなりません。

使用者:「うちは終業時間が夕方5時だけど,その時間まで毎日働くことができそうですか。」

面接に来た人:「実は,まだ小学生の子どもが2人いて,夕食の支度などもあるので,5時までなら大丈夫ですが,残業が日常的に発生して,帰りが6時以降とかになるのであれば,難しい状況です。」

といったように,自ら話してもらえる分には問題ありませんし,使用者としてはその人の採用において具体的にイメージしやすくなるでしょう。

 

 

 

#女性活躍推進 #雇入れ #男女雇用機会均等法