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弁護士 奧野舞のブログ

弁護士法人シティ総合法律事務所(http://www.city-lawoffice.com/)

【医業】「医療事故」と「医療過誤」

当法人の札幌オフィスも,新たに男性弁護士が加入し,弁護士3人体制となりました。

後輩弁護士に仕事を振りつつ,普段から少しずつ情報収集している医業関連トピックについても,定期的に書いていこうと思います。お付き合いください。


医業経営者の方にとって「医療事故」の発生は,紛争対応や賠償問題など,様々な問題がのしかかってくることになりますので,限りなくこれをゼロに近づけたいというところだと思います。

医業関係者にとっては当然の知識かもしれませんが,「医療事故」と「医療過誤」は異なります。
医療事故の発生について,医療機関側に過失があることを前提とした場合に「医療過誤」という言葉を使い,過失がない又は過失があるかどうか分からない状態であれば,単に「医療事故」という表現を使います。

私自身,医業経営者の方々のサポートをしたいと思い,昨年から,医業経営コンサルタントの勉強を開始し,病院等のリスクマネジメントについて基礎知識を勉強した際に,この用語の区別を正確に理解しました。

 

字面どおりといえばその通りなのですが,意識して使い分けされていない文章もよく見かけます。

 

医業におけるリスクマネジメントにおいて特徴的な点は,医療行為のどこかの過程で必ず人間の手や判断が加わる以上,人為的ミスを完全に無くするということは不可能であり,かつ,その人為的ミスが生命という重要な法益を奪ってしまう可能性があるというところです。

最近は,医療的判断についてもAIが活用される時代になってきたというトピックをよく目にしますが,全ての医療行為が人工知能によって賄われることはおそらくないでしょうから,今後も人為的ミスが可及的にゼロになるようにとの努力を継続していくことは必要です。
医療行為の質とは全く別問題として,リスクマネジメントの専門家が医業経営者を十分にサポートできる仕組みがあるべきであろうと思います。

 

アメリカでは,医師の資格を持たないリスクマネジメントの専門家を病院等の経営主体に取り込んで,医療事故などによる損害賠償や信用毀損を最小限におさえる取組みが,ごく普通に行われていると聞いたことがありますし,日本の医療法人にも従業員として弁護士が所属しているケースもあるようです。

医療従事者が経営そのものを担うこと自体は問題ありませんが,病院等のリスクマネジメントも含めた全ての経営問題について目を光らせるには限界も生じますので,上記のような取り組みが進めばよいと,個人的には思います。

#医療事故  #医療過誤  #AI  #リスクマネジメント   #医業経営 

 

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